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清水 勝宏; 滝塚 知典; 櫻井 真治; 玉井 広史; 竹永 秀信; 久保 博孝; 三浦 幸俊
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.1277 - 1281, 2003/00
被引用回数:33 パーセンタイル:88.19(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60では、超電導コイルトカマク装置への改造が計画されている。ダイバータ研究の主要な目的は、放射損失の割合が90%程度の条件下でのデタッチ制御(非接触ダイバータの制御)である。2次元ダイバータコードを用いてJT-60SCのダイバータ特性について調べた。内側ダイバータでの粒子リサイクリングが高いため、デタッチ状態になるが、外側は0.610ys程度のガスパフによりデタッチとなる。内側のクライオパネルの排気量を150m/s程度に高くすることにより、デタッチからアタッチ状態になり、排気量の設計値(200m/s)の範囲でデタッチ制御が可能であることが明らかになった。中性粒子の挙動は2次元モンテカルロコードを用いて解析しているが、中性粒子とプラズマとの弾性散乱効果を含めるよう改良した。その結果弾性散乱により、ダイバータ前面で運動量が損失し、20%程度プラズマ密度が低くなることが明らかになった。
久保 博孝; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 伊丹 潔; 木島 滋; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 東島 智; et al.
Proceedings of 28th European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics, Volume 25A, p.1353 - 1356, 2001/00
負磁気シア放電は、定常トカマク型核融合炉の運転シナリオとして有力な候補である。一方、ダイバータ板への熱負荷の低減には、不純物入射による放射損失の増大が有効である。JT-60では、内部輸送障壁を有する高閉じ込め(閉じ込め改善度: H2)の負磁気シア放電に、Ne及びArを入射することにより、放射損失を増大(放射損失割合: P/P0.7)した。特に、Neをダイバータ側から入射した場合には、X点MARFEの発生により放射損失が増大し、ダイバータプラズマが非接触状態になった。この非接触ダイバータを維持しつつ、内部輸送障壁が成長し、閉じ込め改善度が1.2から1.6に増大した。この時、Ne及びCの密度分布にも内部輸送障壁が観測されたが、その密度分布は電子密度分布とほぼ同じであり、不純物の選択的な蓄積は観測されなかった。
久保 博孝; 澤田 圭司*
プラズマ・核融合学会誌, 74(6), p.562 - 567, 1998/06
国際熱核融合実験炉では、ダイバータ板への熱負荷を軽減するために、非接触ダイバータ・プラズマを標準の運転モードとしている。従来、ダイバータ・プラズマでは、イオンがダイバータ板で再結合し、中性粒子となってダイバータ板から放出され、それが電離されながら輸送される状態にあると考えられていた。しかし、最近、非接触ダイバータ・プラズマでは、プラズマ・イオンがダイバータ板に到達するまでに再結合する現象(体積再結合)が観測された。この体積再結合は、非接触ダイバータ・プラズマにおけるイオン流束の減少に重要な役割を果たすと考えられている。したがって、ダイバータ・プラズマにおける体積再結合過程の理解は、次期核融合装置の運転モードの検討及び性能評価に重要である。また、低温高密度プラズマ中のプラズマ素過程のひとつとして、体積再結合はプラズマ分光学的にも興味深い現象である。ここでは、ダイバータ・プラズマにおける体積再結合に関する最近の研究を、特に分光診断に関するものを中心に紹介する。
細金 延幸
プラズマ・核融合学会誌, 73(6), p.564 - 569, 1997/06
JT-60Uのダイバータ及び関連システムの改造が1997年2月から5月にかけて行われた。新しいダイバータは傾斜したターゲットとドームから構成されるW型のセミ・クローズ型ダイバータであり、ダイバータ排気のためにクライオポンプを装備している。パワー制御と主プラズマ性能を同時に両立するために、新しいダイバータにおいて改善される点について、特に、部分的非接触ダイバータ運転に焦点をあてて、議論する。
朝倉 伸幸; 星野 一生; 宇藤 裕康; 新谷 吉郎*; 徳永 晋介; 清水 勝宏; 染谷 洋二; 飛田 健次; 大野 哲靖*
no journal, ,
ダイバータ設計において、平衡コイルの配置を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する「先進ダイバータ」の検討が注目されている。非常に大きな熱流の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、コイル配置とプラズマ平衡配位の検討し1-2個のインターリンクコイルを設置することで、小型化したスーパーXダイバータ設計が可能であることを示した。上記のShort-SXDについてダイバータプラズマのシミュレーションを行った。通常と異なるダイバータや磁力線の形状における計算用メッシュの作成を行い、500MWのプラズマ熱流が周辺部に排出される条件で、アルゴンガスを入射することで放射損失パワーを92%程度まで増加することにより、完全非接触ダイバータが生成する結果が得られた。標準磁場形状のダイバータでは同条件で完全非接触ダイバータは得られなかったことから、磁場形状の工夫によるダイバータプラズマ制御の効果をしめした。最大ピーク熱負荷も標準形状のダイバータと比較して10MW/m程度に低減できたが、プラズマ熱流よりも再結合プロセスが熱負荷として寄与するため、このプロセスの制御が重要と思われる。
朝倉 伸幸; 星野 一生; 宇藤 裕康; 新谷 吉郎*; 清水 勝宏; 徳永 晋介; 染谷 洋二; 飛田 健次; 大野 哲靖*
no journal, ,
ダイバータ設計において、平衡コイルの配置を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する「先進ダイバータ」の検討が注目されている。非常に大きな熱流の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、コイル配置とプラズマ平衡配位の検討し1-2個のインターリンクコイルを設置することで、小型化したスーパーXダイバータ設計が可能であることを示した。上記のShort-SXDについてダイバータプラズマのシミュレーションを行った。通常と異なるダイバータや磁力線の形状における計算用メッシュの作成を行い、500MWのプラズマ熱流が周辺部に排出される条件で、アルゴンガスを入射することで放射損失パワーを92%程度まで増加することにより、完全非接触ダイバータが生成する結果が得られた。標準磁場形状のダイバータでは同条件で完全非接触ダイバータは得られなかったことから、磁場形状の工夫によるダイバータプラズマ制御の効果をしめした。最大ピーク熱負荷も標準形状のダイバータと比較して10MW/m程度に低減できたが、プラズマ熱流よりも再結合プロセスが熱負荷として寄与するため、このプロセスの制御が重要と思われる。
坂本 瑞樹*; 大木 健輔*; 吉川 基輝*; 寺門 明紘*; 野原 涼*; 野尻 訓平*; 中嶋 洋輔*; 福本 正勝; 市村 和也*; 細田 甚成*; et al.
no journal, ,
GAMMA10/PDXでは、ミラー端部に設置したダイバータ模擬実験モジュールを用いて、境界プラズマの物理とプラズマ壁相互作用が調べられている。本研究では、モジュール内に設置したタングステン製のV字ターゲットに端損失プラズマを照射し、リサイクリングに対する水素ガス入射の影響とターゲット温度の影響を調べた。モジュールに入射する直前の電子密度と電子温度はそれぞれ3.010mと10eVであったが、モジュール内に水素ガスを1.23Pa導入することで、V字ターゲットのコーナー部ではそれぞれ0.610mと3eVに低下した。このことから、V字ターゲットのコーナー部では非接触プラズマが形成されていると考えられる。また、同部で測定したHとHの強度比から評価すると、分子活性化再結合が発生している可能性が高い。さらに、V字ターゲットの温度上昇と共にコーナー部での電子密度とH信号強度の増加が観測された。これにより、ターゲットの温度上昇によってリサイクリングが増加する可能性が示唆された。
中嶋 洋輔*; 市村 和也*; 武田 寿人*; 岩元 美樹*; 細田 甚成*; 清水 啓太*; 大木 健輔*; 坂本 瑞樹*; 大野 哲靖*; 門 信一郎*; et al.
no journal, ,
GAMMA10/PDXでは、非接触プラズマの生成と特性評価を目的として、ダイバータ模擬実験モジュール内部に設置したV字ターゲットへのプラズマ照射実験を行っている。ダイバータ模擬実験モジュール内に水素または希ガス(アルゴンやキセノン)を入射することで、V字ターゲット前面での非接触プラズマの形成に成功した。このとき、V字ターゲットへの熱粒子負荷の減少を観測した。また、V字ターゲットのコーナー部で測定した電子温度が数十eVから3eVに低下した。この電子温度の低下は分子活性化再結合が原因である可能性が高い。また、非接触プラズマの形成には、モジュール内へ水素ガスとキセノンガスの両方を入射することが効果的であった。